オウンドメディアというのは、Owned Media、つまり、『自分自身の媒体』という意味になります。
自社で持っている媒体という意味になるのですが、これだけでは、何を言っているのかよくわかりません。
そこで、一般的にビジネスで利用する広告媒体のことを、少し整理してみましょう。
広告を出すために利用するメディア(媒体)としては、大きく3つに分かれます。それは、ペイドメディア、アーンドメディア、オウンドメディアの3つです。
ペイドメディア(Paid Media)
Paied=料金を払うという意味で、広告料金を払って掲載するメディアのこと。
新聞や雑誌、テレビだけでなく、Googleの検索結果に表示されるPPC広告や、バナー広告もペイドメディアです。
街角にある看板広告もペイドメディアです。
『枠を買う』と表現されるように、広告掲載する場所や面積が決まっていて、それに応じた料金を払うのが一般的です。
メリットとしては、読者や視聴者などをすでに抱えている媒体であり、こちらで宣伝告知する必要はありません。
また、反応がわかりやすく、効果がなければ、すぐに広告を停止することができるので、損失も少なくなります。
デメリットとしては、広告掲載枠が限定されているので、『空き』がなければ掲載したくとも広告を出すことができません。
媒体資料などに掲載されている読者層やアクセス数などは、検証しようがないので、どこまで信じていい数値なのかは判断が難しいところがあります。例えば、雑誌の発行部数は分かっても、販売部数はオープンにされていません。
広告内容は、媒体側のチェックも入るので、場合によっては掲載できないこともあります。
広告を入れ替えるなども、媒体側の運営スケジュールに合わせる必要があります。
アーンドメディア(Earned Media)
earned=評判をもたらすという意味で、評判をもたらす媒体、つまり、クチコミのこと。
一般の広告とは、少し違いますが、消費者のブログや、Facebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)、Instagram(インスタグラム)などのSNSが、アーンドメディアになります。
ブログやSNSが登場する前は、消費者の声といっても、友達や職場でのクチコミだったので、広まるにはものすごく時間がかかりました。
それが今では、レストランの食事のときに、スマホで料理を撮影し、すぐにインターネットに感想がアップされます。イベントでも、会場の様子が写真や動画で、あっちこっちにアップされています。
消費者主導のメディアが出来上がっているのです。
これまでも、クチコミ・マーケティングの手法はありましたが、SNSが広まった今は、もっと計画的にシナリオを作って展開する方法や、さらには、有名人やブロガーと呼ばれる人たちに商品を紹介っしてもらうといった広告も出てきています。
今回はオウンドメディアの話ですので、詳しくは、別の機会に説明したいと思います。
アーンドメディアのメリットとしては、消費者が勝手に広めてくれる(拡散)ので、広告費がまったくかかりません。
さらに、企業が主体的に告知しているのではなく、第三者の消費者が広めてくれるので、信頼性が格段に高い情報になります。
企業がいくら「いいものですよ!」と熱弁したところで、実際に使った消費者の一言には勝てません。特に、SNSでは、知らない人ではなく、知人や友人、信頼している人からの情報になるので、より効果は大きくなります。
デメリットは、言うまでもなく、コントロールできなことです。内容だけでなく、拡散するタイミングも、下火になるタイミングも、何一つコントロールできません。
タイミングがコントロールできないというのは、生産が間に合わない場合、致命的な問題になってしまいます。情報がどんどん拡散して、問い合わせが殺到するのに、売るものがない状況になります。慌てて、量産したころには、すでに下火になって、山のような在庫を抱えることにもなりかねません。
オウンドメディア(Owned Media)
Owned=自前で所有するという意味で、企業自らが運営し、情報発信するメディアのこと。
企業自らが運営し、情報発信するというと、単にホームページと変わらないように思うかもしれません。
確かに、広い意味では、従来のホームページや、広報誌、パンフレットなども、オウンドメディアになります。食道の入り口に置いている『本日のランチメニュー』といったA看板もオウンドメディアです。
しかし、今、注目されているオウンドメディアは、少し狭い意味で使われています。インターネットを利用して、自社媒体として定期的に情報発信し、単に自社の製品を紹介するだけでなく、役立つ情報を発信しつづけるメディアのことを意味しています。
まさに、雑誌を毎月発行する、新聞を毎日発行するようなものです。
では、そんなオウンドメディアのメリットですが、なんといっても、自由に広告が掲載できることです。大きな写真を掲載することもできますし、キャッチコピーや文章も制限はありません。掲載開始や終了、修正も好きな時にできます。しかも、自社のメディアですから広告料金は1円もかかりません。
デメリットは、アクセスを集める(集客)ために時間と費用がかかることです。つまり、広告媒体を広告する必要があります。さらに、広告媒体を維持・運営するために、コンテンツ作成のコストが継続的にかかるのです。
オウンドメディアは、広告費用はかからないのですが、広告媒体を運営するための費用はかかります。
ペイドメディア、アーンドメディア、オウンドメディアについて、まとめると次のようになります。
種類 | 概要 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
ペイドメディア | 雑誌や新聞 | すでに集客されている | 広告出稿に制限がある |
アーンドメディア | SNS | 信頼される情報が広がる | コントロールできない |
オウンドメディア | 自前の媒体 | 広告を自由に出せる | 媒体の維持費用がかかる |
次回は、なぜオウンドメディアが注目されるようになったのかについて考えてみたいと思います。
オフィスエムでは、オウンドメディアをビジネスに利用するための企画・コンテンツ制作・運用、さらには、問い合わせ対応まで、すべてワンストップでご依頼いただけます。お気軽にご相談ください。